Twitter上場最後の日
2022年10月27日、ついにその日がやってきました。Twitter社の株式の100%売却実施です。いくらかTwitter社の株を持っていた私のもとには、楽天証券からメッセージが送られてきました。以下がそのスクリーンキャプチャーです。
今までの株主が所有していた株は強制的に売却されます。アメリカドルで、1株あたり54.2ドルになります。
Twitterを買ったのは誰?
買ったのは、この方です!!
イーロン・マスク(Elon Musk)!
そうです、電気自動車企業テスラの共同創設者であり、宇宙開発企業スペースXの創設者およびCEO。
買収総額は、440億ドル。
日本円にして、約6兆5円億円!(1ドル148円で計算)です。
どんだけカネあるねん。
やっぱ、買うのやーめた、と宣言したことも
しかし、実際の買収に至る道は平たんではありませんでした。
いくら、総資産が日本円にして30兆円といわれるイーロン・マスクでも、実際は大半をテスラ株などの形で持っているので、これだけのキャッシュを準備するのは容易ではなかったようです。保有するテスラの株式を担保にして銀行団から借り入れを行ったり、一部のテスラ株を売却しています。日本の銀行もマスクに貸し出しを行う銀行団の中に入っていると言われています。
また、マスクは、2022年7月9日に、重大な規約違反があったとして、Twitter買収を撤回しました。
マスク氏 ツイッターと合意の買収計画撤回 “重大な契約違反” | NHK | IT・ネット
しかし、今度は、これに反発したTwitter社が、マスクを裁判所に提訴しています。
ツイッター、マスク氏を提訴 買収契約の履行要求 | ロイター
事態は泥沼化の様相を見せました。
しかし、10月に入って、一転、マスクが当初の条件通りの買収を発表します。
マスク氏、ツイッター買収再提案 当初合意の条件で | ロイター
そして、マスクは、10月26日に、融資をしている銀行団に買収を完了させると明言し、速やかに履行されることになりました。
マスク氏、28日までにツイッター買収完了と銀行団に明言-関係者 - Bloomberg
この買収価格は高いの?安いの?
54.2ドルという買収価格は、マスクが買収を表明した時点としては好条件です。ただし、以下のように、Twitter株は以下のように1株77ドルを超えていたこともあったので、当初は高値つかみをした株主たちが強く反発したりしました。
しかし、実際は、今年に入って、アメリカのハイテク株は軒並み大きく価格を下げているので、相対的に見ればTwitterはこの買収価格によって下支えされたと言えます。
Twitterは今後どうなるのか?
Twitterを利用されている方は日本にもたくさんいます。買収完了によって、Twitterはマスクのものとなり、非上場企業になります。「今後Twitterはどうなるの?」と心配されている方もたくさんいるでしょう。これについてはいろんな見方があります。
しかし、ユーザとしてだけでなく、株主としてもそれなりに長くTwitter株を保有してきて、トランプ騒動なども他人事ではない状態でハラハラして見ていた立場からすると、Twitterの将来についてはあまり悲観していません。
マスクは大金をかけて買収しています。間違いなく、将来は価値を高めて再上場を行い、資金を回収することを考えています。ただし、マスク自身もTwitterのヘビーユーザです。また、ユーザにそっぽを向かれてしまったら、再上場して投資資金を回収することは難しくなってしまいます。
実際、Twitterは非常に多くの人に利用されていますが、気が付くと、機能自体のアップはそれほどたくさん行われているとは言えないかもしれません。それでいいという人も多いと思いますが、技術は進歩しています。買収完了によって非上場化し、文字通りマスクの会社になったTwitterは、さらに便利に、使いやすく、進化を遂げるだろうと私は思っています。