もう3週間ほど前になりますが、知人の法事があって、富山県に行ってきました。往復とも北陸新幹線に乗ったのですが、特に帰りに乗った「はくたか号」があまりに衝撃的でしたので、記事にしておきます。
北陸新幹線とは?
北陸新幹線は、2020年現在、東京から高崎を経由し、長野、富山、金沢まで開業している高速鉄道です。現在、福井までの延伸工事中で、将来的には京都・大阪にまでつながる予定になっています。停車駅の多い「はくたか」号と、停車駅が少なくより短時間で走る「かがやき」号の2種類があります。
行きはよいよい
土曜日の日帰りの往復でした。東京から富山は富山まで行くときには、大宮と長野しか停車しない「かがやき」という速い方に乗りました。そんなに乗車率は高くはなかったですが、地方に向かう列車だし、こんなものかなという感じです。
帰りは。。。やばい!
問題は東京へ向かう上り列車です。乗ったのは、金沢駅始発で、新高岡に停車し、富山駅には20時40分に着いた「はくたか578号」東京行きの9号車。富山駅のホームから荷物を持って、開いた自動扉を通り、車内に入りました。
え?
思わず、絶句しました。それが、以下の写真です。
まじか!
だ、誰もいない!!
や、やばいでしょ、これ。
新幹線ですよ。
東京行きですよ。
地方のローカル線じゃないんだから。
これ建設するのに、何年かかったと思って。
莫大な予算も投入されたんですよ。
で、乗客が自分一人って。
幽霊列車か、これ。
宮沢賢治の「銀河鉄道」だって、もうちょっとマシでしょう。
時間帯が夜になっていたこともあって、実に不思議な気分でした。
ときどき、車内販売の売り子さんがカートを押してやってくるのですが、「お弁当、お飲みは物いかがでしょうか」という声がガラガラの車中にむなしくこだまします。
車掌もときどきやってきて、次の車両に移るとき、お辞儀をしていきます。
でも、それ以外、一切、人の気配がありません。
気持ち悪いです。
それでも北陸新幹線「はくたか」号は定刻通り高速で走り続けます。
私は、思いました。
「せめて、カオナシくらい、いてくれ」
たしかに、土曜日の夜に北陸新幹線に乗る人は多くはないかもしれません。
でも、金沢、高岡、富山って、北陸を代表する都市ですよ。
そこから日本の中心地である東京に向かう新幹線。
いくら何でも、自分以外、ゼロ人って。。。
しかも、この状態は続きます。
次の駅も、そしてその次の駅も。。。
まじか。
あまりにヒマなので、新幹線の中で、大声で歌を歌ってみました。
人生初の経験。
でも、誰も怒らない。
当たり前か。(笑)
他に誰もいないんだから。
長野に着きました。
やっと、35歳くらいの男の人が乗ってきました。
彼は、入るなり、目を見開きます。
だって、私しか乗っていない。
なんや、この新幹線。
ちなみに、その人は、次の駅で消えてしまいました。
その後は、軽井沢まで来てようやく外国人らしい人たちが2人、高崎でさらに1人が乗ってきたのみ。その状態で、東京まで行きました。
最後に
なかなか珍しい体験でした。
北陸新幹線は開業当初は盛り上がり、昨年の台風では複数の車両が漬物のようにはんらんした千曲川の泥水につかってしまったりと、何かと話題に上りました。連休の初日などは満席になることもあるようです。しかし、けして本数が多いわけでもないのに、あまり乗車率がかんばしくない列車も相当数ありそうです。
今後、福井への延伸がなされるとはいえ、福井もそれほど人口の多い県ではないので、それで北陸新幹線の乗車率が大きく改善するかは疑問です。また、日本は人口減少時代に突入しており、北陸も例外ではありません。ただ、北陸新幹線自体はとても快適です。今後の北陸新幹線及び沿線地域の繁栄を願わずにはいられません。