洞窟のおもちゃ箱

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口臭や歯周病予防に効果あり。専門家の意見と論文を調べ、自分でも実際に試してみた。ジェット水流で歯をきれいにする口腔洗浄機(ウォーター・ピック)は本当に役に立つのか?

 日本人の80%以上が歯周病にかかっているといいます。1日2回、ちゃんと歯を磨いているのに、口が臭い、虫歯になる、磨き残しがある、とお口のトラブルで悩んでいる人は多いのではないでしょうか?私もそうでした。

 そこで、口腔洗浄機について調べ、実際に購入して試してみました。

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1.口腔洗浄機(口腔洗浄機)とは

 口腔洗浄機(口腔洗浄機)とは、ジェット水流を歯に当てることで、水圧のかかった水流の勢いで汚れをとるものです。複数の会社からいろいろなタイプや値段のものが出ています。

 

2.果たして効果があるのか?専門家のサイトでの歯科医の意見

 ブログや商品販売のサイトを見ると、肯定的な意見が目立ちます。ただ、売ることを目的としているものは当然そういう意見になりがちですから、多少は割り引いて読む必要があるかもしれません。実際、歯医者さんの間では必ずしもそこまで高評価というわけではなさそうです。

 例えば、日本最大の歯科相談サイトの、歯チャンネル88では「口腔洗浄器は歯周病予防になりますか?」という相談が寄せられており、複数の専門家が回答していますが、以下のような意見が占めています。

基本的なブラッシング歯間ブラシ等を含む)で十分だと思います。

どのような機種かわかりませんが、おそらく、歯周病の予防にも治療にも効果はないと思います。

さらに、血の塊が出るような状態なら、洗浄機を使っている場合じゃないでしょう、早く歯周病の治療を受けなきゃ。

歯磨きの後にウォーターピック使うとわかりますが、食べかすが結構出てきます。
つまり普通の歯磨きでプラークはかなり不完全にしか除去できてないです。
でもって、そのプラークの不完全な除去しかできない普通の歯磨きでも十分歯周病予防になります。

 

 細かくは割愛しますが、他にも、歯医者さんが口腔洗浄機について意見を述べているサイトは探すといくつかあります。それらも含めた専門家の意見を集約すると、だいたい以下の3点に集約されます。 

  • 汚れを取るなら歯磨きが一番であり、高圧水流で取れる汚れは限られる。
  • どうしても歯磨きで届かないところの汚れの除去には、無いよりマシかもという程度。
  • 膿(ウミ)がでてくるような状態なら、そもそもちゃんと治療すべき。

 

3.口腔洗浄機の汚れの除去能力についての論文を調べてみた

 歯科医の意見は先ほど述べたとおりですが、もう少し学術的な研究調査をしたものがないかと思って調べました。すると、いくつか見つかりました。例えば、以下のようなものです。

 

脈動ジェット水流式口腔洗浄器具の臨床効果

両角 祐子山下 穣阿部 祐三安川 俊之竹田 まゆ宇野 清博佐藤 聡 (2009年4月)

本研究は,脈動ジェット水流式口腔洗浄器具を用いた歯肉縁上の洗浄が歯肉縁下に及ぼす影響を,歯周組織および歯肉縁下細菌叢の変化で検討した.全身疾患を有さない男性4名,女性4名を対象とし,手用歯ブラシとジェットチップ®を装着した口腔洗浄器具(ウォーターピック®ウルトラJET:WP-10-J,Water Pik,USA)を併用した場合と,手用歯ブラシのみの場合を比較検討した.口腔洗浄器具の使用は,1日1回就寝前,600mlの水道水にて行った.検査項目は,Plaque Index(以下,P1I),Plaque Control Record(以下,PCR),Gingival Index(以下,GI),Bleeding on Probing(以下,BOP),Probing Depth(以下,PD)とし,実験開始時と1,2週間後に測定を行った.細菌学的検索としては,Polymerase Chain Reaction法を用い,Porphyromonas gingivalisの検出を行った.結果,口腔洗浄器具を併用した場合,手用歯ブラシのみの場合と比較し,PCR,P1Iで2週間後に有意な減少を認めた.GI,BOPにおいても口腔洗浄器具を用いた場合のほうが改善がみられた.細菌学的検索では,口腔洗浄器具の併用において,P.gingivalisの検出部位が少なかった.以上の結果から,脈動ジェット水流式口腔洗浄器具を併用した場合,臨床的にプラークの抑制効果があることが示された.また,歯肉溝内の歯周病原細菌の抑制効果があることも示された.これらのことから,脈動ジェット水流式口腔洗浄器具を用いた歯肉縁上の洗浄の歯肉縁下に対する有効性が示された.

 この論文を読むと、要するに、手用歯ブラシでは歯肉縁下2mm程度の深さが限界である。口腔洗浄機の歯垢除去効果は弱いが、2週間程度の期間歯ブラシと併用すれば、歯肉の炎症や出血の減少効果はみられる、というものです。

 

 他にも次のようなものがあります。歯の表面のネバネバは、細菌によってフォルム状になったもので、これを「バイオフィルム」と呼びますが、以下の学位論文では、このバイオフィルムを正確に測定する電子線マイクロアナライザという機器を使った方法を適用することで、バイオフィルムの除去と口腔洗浄機の関係について研究し、以下のように述べています。

「電子線マイクロアナライザ(EPMA)を用いたジェット水流による口腔バイオフィルムの除去効果および象牙質の酸蝕深度の評価に関する研究」

田村清美(平成26年12月17日)

反射電子像によるバイオフィルム断面の測定から、ジェット水流を使用した洗浄によってバイオフィルムの厚さが大幅に減少することが明らかになった。 

 さらに他にも、口腔洗浄機の効果を、ブラッシング、うがいを比較し、ブラッシングには全く及ばないものの、うがいに比べれば数倍程度の効果がみられる、としている論文がありました。

 つまり、すぐに劇的な効果がみられるわけではないし、歯磨きにとって代わるものでもないが、実際に研究者が実験を行った結果では、いくらかの効果は期待できそう、という感じです。

 

4.自分でも買って試してみた

 ここまできたら自分でも実際に試してみようと思い、買ってみました。Panasonicの製品が種類も多くて評判がよさそうなのですが、どうも同等機能で比較するとちょっと割高な気がしました。そこで、コスパを重視し、アイリスオオヤマの以下の製品を買いました。

  モノ自体は標準的な口腔洗浄機です。タンクに水を入れ、スイッチを入れると、ペン状の棒の先っちょから圧力のかかった水流が出てくるのでそれを歯に当てていきます。使い方は難しくありません。

 

 棒の先っちょは消耗品なので、あらかじめ複数の予備が梱包されていました。

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 ちょっと面倒なのは後始末です。管と棒状の部分に水がたまるので、それを抜く必要があります。慣れれば、なんということはありませんが。

 また、先っちょは口の中にいれるので、清潔に保つ必要があります。そこそこ保管スペースも取ります。

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5.継続して使ってみた

 2週間ほど毎日使ってみました。結果から書くなら、すぐに劇的な効果は無いけど、使い始めてよかった、と思いました。

 汚れは大して取れません。バイオフィルムの除去効果も期待した程ではないかな、と思いました。しょせん、水流です。ホースの先っちょを握って、勢いのいい水を出して当てているような感じ。限界はあります。歯磨きの代わりにはなりません。

 ただ、毎日続けていると、口臭は明らかに減ったと思います。しかも、あまり気にならなくなった、というレベルまで。これは自己申告ではなく、家族も、はっきりそのように証言してくれています(今まで我慢してくれていたのか!)。

 最大の理由は、「歯と歯の間」「歯と歯茎の間」にあると思われます。毎日使い続けることで、歯ブラシの毛先が届きにくい磨き残しになっていたであろうところに蓄積していた汚れが、少しづつ落ちていった感じがあります。

 歯周病の炎症も、体感レベルではありますが少し良くなり、歯周病の典型的な症状である歯茎からの出血も無くなりました。

  尚、私は歯磨きでは薬用歯磨きを使っているので(「医薬部外品」ではなく以下のような「薬用」「医薬品」の方です)、先に口腔洗浄機で歯ブラシの届かない場所の汚れもできる限りきれいに洗い流してから、薬用歯磨きで歯を磨いています。その方が、薬用成分がしみこみやすいと考えています。薬用歯磨きを使う場合は、歯ぐきにもしっかり薬剤がしみこむようにブラッシングします。

 

6.結論 

 口腔洗浄機は魔法の機械ではありません。歯磨きの代わりになるわけではありません。ただ、毎日使うことで磨き残しになっていた部分の汚れを少しづつ減らす効果はあるように思います。特に、「歯と歯の間」「歯と歯茎の間」です。

 見方を変えると、毎日毎日ていねいにしっかり歯を磨いているつもりでも、実際は歯ブラシの毛先が届かなくて磨き残しになっているところが結構たくさんあるのです。

 よって、毎日、朝晩きちんと2回歯磨きしているのにも関わらず、歯周病や口臭に悩み続けている人が補助的に使うには悪くない選択肢だと思います。ジェット水流を歯や歯茎に当てるだけなので、体に害を及ぼす心配はありません。

 このように、継続使用することで効果が体感できたので、私は、多少面倒ではありますが、その後も毎日続けています。