洞窟のおもちゃ箱

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本田はベンチ、乾・香川・武藤・岡崎・柴崎の先発起用で活性化し、パラグアイに勝利したサッカー日本代表。さあ、ワールドカップ本番へ!

サッカー日本代表パラグアイと対戦。ワールドカップ前の最後のゲームで4-2と久々の勝利を収めました。

 

 前回のスイス戦に惨敗した後のブログで、以下の主張を行いました。

  • 大迫・本田・宇佐美・原口では、運動量のある選手は原口選手しかいないので、本田・宇佐美ではなく、乾・香川にして前線の運動量を確保すべき
  • セットプレーのキッカーとしては、本田・宇佐美より柴崎の方が優秀なので柴崎選手を先発に起用すべき
  • 攻守の連動性を高めるべき
  • 前線は岡崎選手かけが人が出た場合は浅野選手を起用すべき

結果的に、この試合では、それに近い形が実現したこともあり、再度、日本代表がどうすればいいかについて意見を整理したいと思います。

coldsnapmisc.hatenablog.com

 

 

1.中盤の運動量の確保こそ攻守のカギ。乾・香川・武藤もしくは原口で2列目を構成すべき

 日本が強豪チームや高さのあるチームに立ち向かおうとすると、中盤の運動量の確保は絶対です。もっとはっきり書くなら、サッカーは走ってなんぼ、です。

 そのため、前回主張した通り、そしてパラグアイ戦ではっきりと結果が出たように、乾・香川・武藤もしくは原口で2列目を構成すべきです。

 ちなみに、南アフリカ大会で岡田ジャパンがベスト16に進出したときは、スリーバックの形をとりましたが、忘れてはならないのは、岡田監督は2列目に松井・大久保という運動量のある選手を置くことで後ろの負担を軽減したことです。中盤の高い運動量の確保は得点力のアップはもちろん、後ろの守備の負担を軽くしラインではなく連動によって面で守る守備も実現可能にします。

 

2.世界的に見ても、そもそも本田・宇佐美より乾・香川の方が格上

 日本では、本田・岡崎・香川で「ビッグ3」と言われてきました。しかし、世界的な知名度でいくなら、香川真司がダントツです。香川選手はヨーロッパの強豪中の強豪であるボルシア・ドルトムントのレギュラー格です。年齢的にも本田(31歳)や岡崎(32歳)より少し若く29歳です。こんな選手を控えに甘んじさせている方が本来はおかしいといえます。

 乾貴士もヨーロッパ屈指のスペイン1部リーグで堂々のレギュラー選手です。今季終了後、同じリーグのテベスへの移籍が発表されました。普通に考えれば、今回の前線の中では香川選手に次ぐ格の選手であり、前述した運動量確保ということでいっても、こんな選手を控えにしている方が本来おかしいのです。

 香川・乾コンビは、セレッソ大阪時代に得点を量産した相性の良いコンビでもあります。その2人が今やヨーロッパのトップリーグの中核選手になっているのですから、今までそろって使う機会が少なかったことの方が異常です。今回この2人が結果を出したことで、西野監督も、よもや、これで本田・宇佐美にはもどさないだろうとは思いますが、ぜひこのまま本番でも香川・乾でいって欲しいと思います。

 

 

3.柴崎のセットプレーのキッカーおよびパーサーとしての能力は重要

 セットプレーのキッカーとしての柴崎選手の能力には目を見張るものがあります。このチームでは、本田選手、宇佐美選手もセットプレーのキッカーを務められますが、柴崎選手の方が上だと思います。日本代表が格上の相手からどうやってゴールを奪うべきか考えたとき、セットプレーの大切さはいくら強調しても強調しすぎることはありません。

 柴崎選手は、パーサーとしても非常に優秀です。前線に運動量のある選手が複数いれば、一瞬のスキをついて決定的なパスを通せます。ためも作れるし、シュート力もあります。鹿島アントラーズ時代に鍛えられ、俊敏ではありませんが意外に運動量もあります。国際レベルでいくならフィジカルは少し弱いので、この試合のように守備に強い山口選手との組み合わせは考えるべきですが、ぜひ本番でも先発で使うべきです。ちなみに、柴崎選手も世界トップクラスのスペインリーグでプレーしている選手です。

 

4.両サイドの長友・酒井宏樹は日本代表史上屈指のサイドバックのコンビ

 左サイドは長友選手、右サイドは酒井宏樹選手でいくべきです。長友選手はピークのときよりは若干落ちているかもしれませんが、いまだに攻守において高いレベルを保っています。酒井宏樹選手はフランス一部リーグで急成長したことに加え、身長が185㎝と長身です。今までも日本代表には内田選手や加地選手のように優れたSBバックがいましたが、左右両方の組み合わせという点でいくなら、この2人の組み合わせは日本代表の歴史上、最強だと思います。

 サイドバックが同時に上がるのは危険なので、どうしてもリスクをおかして得点が欲しい場面以外は、どちらかというと身長のある酒井選手を守備を重めにして、長友選手の左サイドを攻撃的にする方がいいような気はしますが、いずれにせよ、両サイドを担う2人は、攻守において頼りになると思います。

 

5.吉田と槇野のCBはスピードがあるし、スリーバックより中盤を手厚く

 パラグアイ戦で示されたように昌子・植田のCBコンビは、流石に普段やっているコンビなので安心できます。ただ、CBはスイス戦での吉田・槇野選手になるかもしれません。

 吉田麻也選手と槇野選手は、批判を浴びることが多いように思います。PKを与えた、危険な位置でファールを与えた、といったわかりやすい失点シーンに絡んでいるからです。しかし、守備というのはCBとGKだけの仕事ではありません。彼らがファールやPKを犯すとき、ほとんどのケースは、そもそも中盤やサイドが甘くて相手にゴール前まで突破されてしまっており、必ずしもCBだけの責任とはいえないケースがほとんどです。

 吉田選手も槇野選手もCBとしては身長のわりに俊足です。実際、相手に突破されても追いついて体を入れて防いでいるシーンも多くあります。日本代表は3バックで戦うべきだという声もありますが、この2人のCBの守備範囲の広さを考えたとき、また、2人とも最終ラインで若干ポカをするときもあるというリスクも考えたとき、3バックにするよりは、中盤の構成を手厚くする方が賢明ではないかと思います。また、そうした方が攻撃面でも有利です。ちなみに、昌子・植田コンビでも高いパフォーマンスが期待できると思います。

 

6.控え選手と新レギュラーの役割分担も明確になってきた

 乾・香川選手が2列目のレギュラーになることで、本田選手はフィジカルを必要とされるときの交代要員投入すればいいという使い方が見えてきます。けが上がりの岡崎選手が頑張りを見せたことで、ポストプレータイプの大迫選手との使い分けのポイントもはっきりしたと思います。つまり、新たなレギュラーと控えの選手の役割や個性の違いも明確化してきたと思います。長谷部選手のキャプテンシーが必要な場面も当然あるでしょう。SBのバックアップは酒井高徳選手が両サイドできるのが頼もしいです。

 いずれにせよ、今回のパラグアイ戦の結果に基づいて布陣を組みなおせば、レギュラーとサブの間で補完関係が生まれ、チーム力もより立体的なものになると思います。

 

7.最後に

ぱっとしない試合の続いたサッカー日本代表は、ここにきて光明が見えてきた感があります。このまま本番までにさらにチーム力を上げ、ぜひベスト16突破を果たして欲しいと思います。