ガーナ戦に続き、スイス代表に0-2
- ガーナ戦に続き、スイス代表に0-2
- 原因1.中盤に運動量が無さすぎる
- 原因2.前線に速さがない
- 原因3.攻守ともに連動に欠ける
- 原因4.柴崎以外のセットプレーのキッカーから得点のにおいがしない
- 原因5.西野監督に覇気が感じられない
- 対策1.中盤は、乾・香川・原口の運動量のある選手を起用すべき
- 対策2.セットプレーのキッカーは柴崎選手を
- 対策3.もし選手の入れ替えが可能なシーンが生じれば、スピードのある浅野選手を
- 最後に
サッカー男子日本代表、また負けてしまいました。6月9日に対戦したスイス代表は世界ランキング6位です。また、これはあくまもワールドカップ本番に向けたテストマッチです。とはいえ、試合内容が悪すぎました。深夜から明け方までTVで見ていて、とても残念な気持ちになった人は多かったと思います。
西野監督は「決定力が足りない」というコメントを残していますが、決定力が足りなかったのではなく、「決定機」が足りなかったと思います。得点の可能性を感じさせるシーンは、序盤の大迫選手のシーンと、終盤の柴咲選手のCKくらいしかなかったと思います。また、守りもほころびが多かったと思います。
本来の力の差はもちろんありますが、ここでは、それ以外に日本代表が今一つな理由と、ではどうすればよいかということについて、簡単に意見を書きたいと思います。
原因1.中盤に運動量が無さすぎる
日本の先発は、大迫、本田、宇佐美、原口でした。しかし、このメンバーだと、運動量がある選手は原口のみです。特に、トップ下の本田選手は、スピードも、運動量も、相手の脅威になるようなドリブルも足りず、ゴールに迫るパスもほとんど見られませんでした。トップ下の選手があれでは苦しいです。
日本がベスト16に進んだ南アフリカ大会では、基本的に守って守ってセットプレというスタイルでした。しかし、それができた理由としては、大久保と松井の2人の運動量のある選手をアタッカーのポジションに配置し、足が遅いと思われていた中盤の要の遠藤も実は走った距離はチームトップで、とにかく1対1の不利を避けるため中盤を構成する選手たちは本当によく走っていたというのがあります。3バックを中心とした守りが機能したのもこの中盤の運動量との連携があったからであって、DFラインだけで守れていたわけではないです。
原因2.前線に速さがない
日本がベスト4に進んだロンドンオリンピックでは、俊足の永井をトップにおいて、その速さを生かした一発に賭ける戦略が当たりました。足の速さというのは、高さとともに、フィジカルの問題なので、強い相手でも通用する特徴です。カウンター戦術をとるなら、なおさらは速さは重要です。もちろん、ポストプレーはポストプレーで大切ですが、他に得点の可能性がほとんど感じられない日本は、「速さ」「セットプレー」を大切にするしかありません。そういう点で、俊足の浅野選手を23人の枠から外したのは、とても残念です。
原因3.攻守ともに連動に欠ける
前線の選手がプレッシャーをかけているのに2列目の選手が動かないというような、連動性に欠けるシーンが何度も見られました。失点のシーンもよくGKやCBを非難する声がありますが、そもそもGKやCBが相手にむき出しになって対応しなければならないシーンを減らすことが大切です。この辺は、まだなんとか調整できることはあると思うので、ぎりぎりまで高めてほしいです。
原因4.柴崎以外のセットプレーのキッカーから得点のにおいがしない
本田選手と宇佐美選手の2人はセットプレーのキッカーとしても優秀です。しかし、あまり得点のにおいはしませんでした。むしろ、交代で入ってきた柴崎選手のキックの正確性は目を引きました。
原因5.西野監督に覇気が感じられない
西野監督の生気の欠ける表情やコメントを聞くと、ワールドカップという厳しい舞台に立つ勝負師としての覇気に欠けるように思われます。これは本当に心配です。
対策1.中盤は、乾・香川・原口の運動量のある選手を起用すべき
中盤から前線に運動量が必要です。乾選手、香川選手、原口選手で中盤は構成し、本田選手は控えに回すべきだと思います。本田選手は、使うとしたら大迫選手のバックアップで前線のポストプレー役、もしくは逃げを図る際に終盤で右サイドで起用してフィジカルを生かして体を張ってもらうのがよいと思います。
対策2.セットプレーのキッカーは柴崎選手を
過去に日本代表には、中村俊輔選手、遠藤保仁選手のような、素晴らしい能力を持ったフリーキックの名手がいました。少ないチャンスをものにするには、セットプレーは非常に重要です。宇佐美選手、本田選手もセットプレーのキッカーができますが、スイス戦を見る限り、柴崎選手のフリーキッカーとしての力はその上をいっています。流れからの得点が難しいことを考えると、この能力を生かさない手はありません。ぜひ、先発で起用して得点のチャンスを高めてほしいです。
対策3.もし選手の入れ替えが可能なシーンが生じれば、スピードのある浅野選手を
前線はポストプレーのうまい大迫選手だけでなく、運動量が豊富でDFぎりぎりのところで飛び出しができる岡崎選手の起用を検討してほしいと思います。また、岡崎選手はプレミアリーグのレスターで、前線での運動量を活かした守備で優勝に貢献した選手ですから、2列目に運動量のある選手たちを置くことと合わせて連動したプレスがかけられると思います。
また、23人の登録は終了していますが、不幸にしてけが人が出た場合は、まだ選手の変更が可能です。カウンター頼みにならざるをえない日本の攻撃には、どうしてもスピードが必要です。幸い予備登録には浅野選手が入っており、井手口選手とともに代表に帯同しています。もちろん、これは不幸にして万一負傷者が出た場合の奥の手ではありますが、その場合は、浅野選手の起用を検討して欲しいと思います。
最後に
南アフリカ大会も、直前までダメといわれながらベスト16まで行きました。まだ打てる手は残っていると考えます。ハリルホジッチ監督解任もありましたが、最後まで日本代表を応援したいと思います。